離婚問題専門ブログ

2017年4月25日 火曜日

最近の離婚事情 2

財産分与
【離婚調停において話し合われる事項】
離婚するか否かについては、条件次第と言うのが通常です。財産分与、慰謝料の額、未成年の子供がいたら、親権者、養育費の額、面接交渉の内容について、話し合われます。これらが全て合意されれば、晴れて調停離婚ということになります。
なお、離婚は、いきなり裁判を起こすことはできません。調停前置主義というのが、法の建前で、まず話し合いなさいということになっています。但し、相手方が行方不明の場合には、調停をしても無意味なので、いきなり裁判をすることができます。
1 財産分与について
基本的に1/2ルールが慣例になっています。裁判所での調停も和解も、これが土台となります。
財産分与というのは、夫婦が夫婦としての実態において、お互いに協力しながら築き上げた財産を清算するわけですから、例えば親の相続によって得た財産は、夫婦の協力によって得た財産ではないので、清算すべき共有財産には当たりません。
また、夫婦の一方の特殊な能力によって得た財産については、通常の協力では得られない財産ということになるので、ある部分では共有財産でも、分ける時の割合は、単純に1/2という訳にはいきません。年間何億、何十億円と稼ぐトップアスリートなんかは、まさにこういう場合に当たるでしょう。
特有財産かどうかで争われるものに、株で儲けた財産があります。2-3千万円位までであれば共有財産でも良いか、とも思いますが、億単位で稼いだとなると、これは特殊な才能と言わざるを得ないように思います。
ずいぶん前に実際に受けた事案ですが、依頼者が株で莫大な資産を築きました。そして、奥さんから離婚請求され、財産分与として半分よこせという請求が立てられました。もちろん特有財産だと争うのですが、裁判官が和解の席上で、「1/2ルールだからねえ」と訳の分からぬことを言い始めました。依頼者と二人して、耳を疑いました。
遺言を残せば、配偶者の権利は遺留分である1/4が限度。死に別れで、通常の共有財産でも1/4まで抑えることができるにもかかわらず、なぜ生きている間に別れると、どんなに憎しみあっていても、1/2以外にあり得ないのか...とても不合理な話です。
最終的には、総財産の1/6程度で和解をしましたか、それでも一生かかっても使いきれないほどの金額の分与でした。
これは稀有な例ですが、逆にあるはずのお金を隠されてしまうケースがあります。しかし、あるはずだといくら主張しても、あることを証明しないと裁判所は相手にしてくれません。弁護士が懇意にしている、信用のある調査会社を使って調査してもらうと、思いの外見つかることがあります。詳しいことは、依頼した弁護士さんと相談して見てください。

慰謝料
2 慰謝料について
わかりやすいのは、不貞があった場合です。私が弁護士になったころは、夫から支払われる慰謝料は200万円くらいが相場でしたが、最近は300万円くらいが相場になってきたように思います。判決でも「300万円」というのをもらったことがあります。
不貞の場合、「夫婦関係が破綻していたこと」がよく抗弁(言い訳)として出されますが、殆どこの主張は通らないものと思ってください。本当に破綻していたとしても(笑)。ですので、決して順番を間違えないでください。
暴行、傷害などのDVもよく慰謝料の問題になります。これは程度の問題がありますので、相場的なものはなく、一般的な傷害の時の損害賠償額に+アルファをする感覚です。弁護士の先生とよく相談してみてください。
難しいのは、精神的DVです。私は、法テラスで、DVの専門相談員を長年務めていますが、圧倒的に精神的DVを主張される方が多いのが現状です。モラルハラスメント、経済的ハラスメントなど主張は様々です。ただ、法律的には、慰謝料を請求できるためには、不法行為が成立することが前提となりますが、この手のDVは、証拠が残らず、言った言わないの問題になりやすく、非常に立証が困難です。また、仮に数々の言動が証明できたとしても、配偶者の精神的疾患という結果との因果関係を証明することは、はたまた困難です。
こういう、困難な立証が求められる案件について、裁判所は仮にその成立を認めたとしても、慰謝料金額は限りなく低い額を認定するのが常で、徒労に終わることが少なくありません。
実際に裁判所で争うときには、この点に固執するよりも、もっと根本的なところで頑張った方が得策のように思います。弁護士さんとよく相談してみてください。
財産分与、慰謝料についてのまとめ
調停や、裁判上の和解で離婚が成立する場合、最終的にはざっくりと総額いくら、ということで100%決まります。細かい内訳はありません。名目は、「解決金」とされることが殆どでしょう。内訳を細かくすればするほど、反対意見というのは出てきますし、それでは全く話がまとまらなくなるからで、このような解決方法は、現場における一つの知恵なのだと思います。
解決をするときの心得として、まずは何を優先的に考えたいのか、離婚をすることなのか、親権を取ることなのか、財産分与として1/2は絶対に欲しいということなのか、という目標を決めて、その達成を目指すということを考えるのが、早く紛争を収める秘訣だと思います。この辺は、弁護士の戦略をよくお聞きになって、しっかりと事前に議論された方がよろしかろうと思います。


投稿者 銀座ウィザード法律事務所

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